
・『源氏物語』の本文研究は80年も止まったまま
・古典籍の書写実態がよくわからない
・『源氏物語』の本文では系統論は成り立たない
・『源氏物語』は大部であり巻単位で書写されて取り揃えられている
・基本的に親本を忠実に書写しようとする傾向が認められる
・書写者たちの違いが伝存する本文に関係しているのではないか
・書写者の書写意識から本文分別が可能となる
・書写時の改丁箇所から書写者の心理を考える
・写本は文意を追うことなく書写されているものが多い
・しかし言葉の切れ目が改頁に反映している
・書写活動には文節と単語の意識が働いている
・ただし本の大きさは書写される本文の様態に影響するはず
・丁末では書写本文の流れを調整する書写意識が働いていないか
・丁末の書写様態と形態から写本を分別する可能性を探求する