総研大 文化科学研究

論文要旨

ポーランド語のカタカナ転写における若干の問題

―アクセントをおかれた母音の知覚について―

総合研究大学院大学 文化科学研究科 比較文化学専攻  マジェッツ・アグネシカ

キーワード:

音声転写、カタカナ表記、ポーランド語、音引き符号、単語のアクセント

本調査はパイロットスタディーとして位置づけられ、ポーランド語のある単語をカタカナ表記に転写する際、音引きを使うべきか否かという疑問がきっかけで始めた調査である。日本語を母語とする話者に、アクセントのあるポーランド語の単語が長音として聞こえるのか、それとも短音として聞こえるのか、を回答してもらう実験をおこなった。その結果、サンプルの68%には長音を示す記号(音引き符号や拗音の小文字)による表記が適当であると見なされた。一方、大多数の被験者が短音として認識する例も少ないながら(12%)存在するということが判明した。