
シンポジウムは、「共生」をテーマとし、比較文化学専攻の庄司博史先生、国際日本研究専攻の劉建輝先生、日本歴史研究専攻の青木隆浩先生、メディア社会文化専攻の三輪眞木子先生の4人の先生方にご講演いただきました。その後、それらをもとにしたパネルディスカッションを日本文学研究専攻の鈴木淳先生を交えて行っていただきました。テーマである「共生」は、昨今の研究がより学際的な色彩を増しており、他分野の共生は研究上重要な位置を占めていること、また、国際化が進む中で、異文化間の「共生」は、社会的にも大きな問題となっていることから決定しました。
庄司先生は、異なる文化を背景に持つ人々の「言語」に焦点を当てた内容をお話いただきました。劉先生は、日中問題を歴史的に遡りつつ、背景となる文化的指向の違いや日中両国のお互いの戦略について、青木先生は自然遺産保護の実際のフィールドで起こる考え衝突や葛藤を、三輪先生は、教育現場で起こる様々な問題解決に学際的なアプローチを試みるお話をしていただきました。「共生」とひとことで言っても、あまりに大きなテーマではありますが、総じて文化、言語、自然の間の「葛藤」の面が浮き彫りとなったように思います。
本報告では、当日の講演をもとにした各講演者の論文と、パネルディスカッションの記録を掲載しています。