総合研究大学院大学 文化科学研究科 文科・学術フォーラム 2008

ポスター発表

ポスター発表

日本文明史の再建―生命文明を求めて

発表者所属名
国際日本研究専攻・国際日本文化研究センター
発表者氏名
安田 喜憲(国際日本文化研究センター教授)

研究の内容

平成17年度までの研究成果は平成18年度4月にNTT出版より共同研究成果報告書『山岳信仰と日本人』として刊行した。この発展として日本文明史の再建③生命文明の時代を求めて実施する。
今日、われわれは地球環境問題の危機に直面している。本研究はこの自然環境と人間の間に生まれた危機を克服し、持続的な文明社会を構築するために、行うものである。その手段として、豊かな土壌と水が現在においても維持されている稲作漁労文明のエートスを背景とした生命文明の構築に最終ステージで挑戦する。稲作漁労社会が生物多様性を温存し、麦作農業に比べて豊かな自然を維持していることは誰の目にも明らかである。こうした豊かな水環境を維持し生物多様性を温存する稲作漁労文明と森の文明のエートスを探求する中で解明し、新たな生命文明の時代を構築し日本文明史を再建するのが本共同研究の目的である。本研究は産学官連携研究として外部資金を導入して実施する。
環境と経済を両立させ持続型文明社会を構築するためにはどうすればいいのかを、自然科学から人文社会科学そして工学にいたるまでの研究者と財界・官界そして政治家をもふくめた産官学の連携プロジェクトによって解明し、日本文明史を再建できる未来の文明のシナリオを描き、それを実現するための政策提言をおこなう。