総合研究大学院大学 文化科学研究科 文科・学術フォーラム 2008

ポスター発表

ポスター発表

『枕草子』と『賦譜』に関する一考察

発表者所属名
日本文学研究専攻・国文学研究資料館
発表者氏名
張 培華(ちゃん ぺいほわ)

なぜ『枕草子』「春はあけぼの」章段は春、夏、秋、冬に分けられているのだろうか。なぜ「はるはあけぼの」という表現は体言止めなのであろうか。なぜ「春」段の文字数は一番短く、「秋」段の文字数は一番長いのだろうか。これらの問題点を考えてみたい。

一方、『賦譜』という唐代の書物は、世界中で唯一日本のみに残された古写本である。『賦譜』の内容は「新賦」の書き方である。三巻本『枕草子』「文は」段には「新賦」が明記してある。
確認のため、下記に示す。

資料一 国立国会図書館蔵

【資料一 国立国会図書館蔵】

資料二 重要文化財 五島美術館蔵

【資料二 重要文化財 五島美術館蔵】

『賦譜』「新賦」の書き方

凡賦体分段各有所帰但古賦段
或多或少(中略)至今新体分為
四段

初三四対約卅字為次三対約
卌字為次二百余字為最末
約卌字為就腹中更分為五初
約卌字為胸次約卌字為上腹次
約卌字為中腹次約卌字為下腹
次約卌字為腰都八段段転韻発
語為常体(後略)

発二三漫壮或八九緊八九長七
八隔四五発二三漫壮長或八九
三漫壮或无壮皆通計首尾三百
六十左右字
但官字有限用意折
衷耳

資料三 国立国会図書館蔵
【資料三 国立国会図書館蔵】