総合研究大学院大学 文化科学研究科 文科・学術フォーラム 2008

学生による口頭発表

学生による口頭発表

骨からわかること(第62回日本人類学会発表から)

発表者所属名
日本歴史研究専攻 ・ 国立歴史民俗博物館
発表者氏名
伊達元成

2008年11月1,2日に行われた第62回日本人類学会大会にて報告した内容を発表する。
以下要旨より。

14Cからみた有珠4遺跡人骨の海洋資源利用の評価

  • 伊達元成(総合研究大学院大学・日本歴史研究専攻)
  • 西本豊弘(総合研究大学院大学,国立歴史民俗博物館)
  • 青野友哉(伊達市噴火湾文化研究所)
  • 大島直行(伊達市噴火湾文化研究所)
  • テキストテキストテキスト
  • 三谷智広(洞爺湖町教育委員会)

有珠4遺跡は、北海道南部、噴火湾の北東岸、伊達市有珠町に所在する。遺跡の基本層位には有珠山や駒ヶ岳の火山灰が年代を決定する鍵層として堆積している。発掘調査では近世アイヌ墓が検出され、鍵層から墓の形成年代が決定された。しかし人骨の放射性炭素年代測定を試みたところ、海洋リザーバー効果の影響により墓の形成年代より古い年代値を得た。この年代のずれは食糧資源の炭素由来による影響であると思われる。そこで墓の形成年代と人骨の年代はほぼ同じものであると仮定し、較正年代が墓の形成年代に近づくよう陸上・海洋起源の炭素混合比を任意に与えて年代較正を行い、有珠4遺跡における海洋資源の利用について評価を試みた。